本の魅力は“中身”だけじゃなく…

私も、ずいずいも、普段買う本は、文庫や新書版のものがほとんど。ハードカバーのものは、ずいずいが学校の図書室で借りてくる以外は、あまり縁が無い。
先日、義父とお酒を飲みながら、本の話になった。そして、「書かれている内容だけでなく、持った時の重さだとか、表紙の材質だとか、美しい装丁だとか、紙やインクによって異なる匂いだとか、そういう要素もまた、本の魅力なのである」という話になった。それは、「電子書籍では決して味わうことの出来ない紙の本ならではの醍醐味」であり、「本好きの人間にとってはそういうことも大切」なのであり、「特に感受性が豊かな子どものうちは、そういう魅力を味わう機会を持った方が読書体験が豊かになるであろう」…というようなことで、話が盛り上がった。
思い出してみれば、私は、本の臭いを嗅ぐのが好きな子どもだった。目をつぶっていても、本を開いて鼻を近づけてみるだけで、「これは福音館」「これはポプラ社」「これは岩波」…などと、出版社を当てることが出来た。布張りや革張りの表紙を撫でて、その感触にうっとりしたり、曇りガラスのようなグラシン紙のシャカシャカした感触を楽しんだりすることもあった。
…そのような事が何の役に立つのかと訊かれたら、「いや、何の役にも立ちません…」と答えるしかないのだけれど、あれは、なんとなく心に残る、豊かな時間だったような気がする。そして、子どものうちに、ずいずいにも、ああいう時間を味わってほしいと思う。
そういうわけで、今年のクリスマスは、ずいずいに、何か、ちょっと、“立派な本”を贈りたいと思っている。「図書館で借りて読むからいいや」とか、「読み終わったらブックオフで売っちゃえば本棚がスッキリしていいや」とかいう類の本とはちょっと違う、“ずっと手元に置いておきたい本”というのを味わってみて欲しい。


この記事へのコメント
いつか、息子に聖書を買ってやろうかな。
最近、いろいろなデザインが幼児化しているようで、つまらなく感じています。雑誌の表紙も、書籍の挿し絵も、漫画の絵柄も。あまりにもアニメっぽいセンスに犯されすぎているような。
…しかし、血糖値急増しそうなハンドルネームだね…w
美しい本は、“本”であるばかりでなく、“物”なんだよね。そのたたずまいだの、手触りだの、匂いだのも、愉しみの素になる。
でも、外国のお金持ちで、蔵書の装丁を全部統一しちゃう人がいるでしょう? あれは、なんかちょっと、違う…って気がしちゃうんだよね。その本、その本の、個性があるから。
外国の本は確かに美しいものが多いですね。日本も、古~い文学全集だのは、箱や表紙の美しいものがありますが、最近はいまひとつ、惹かれるものがないんだよなぁ…。
聖書! そうか、その手があったか! 幼稚園でもらった子ども用の聖書物語だの、学校でまとめて購入した聖書だのとは別に、いつか、美しい革表紙の聖書をプレゼントするのもいいですね。高校の卒業祝かな…?
z
まったくもって同感です。
「りぼん」「なかよし」「ちゃお」等々の少女用漫画雑誌の絵柄や内容も、すごく幼児化しているんですよ。一条ゆかり・萩尾望都・武宮恵子あたりの漫画と、最近の少女漫画の完成度の違いといったら……(溜息)。いつのまにこんなことになっちゃったんでしょうね?
なんの本をプレゼントするか、決めた?
ドン亀レスでごめんね。次の日記にアップした通り、アンデルセンの全集にしました。いまさらアンデルセン?…って感じだけど、あまり有名じゃない作品も掲載されていて、美しい挿し絵もいっぱい。ずっしりと思い愛蔵版です。今回は第1巻で、来年以降、第2巻、第3巻が発行されるのだそう。