近視の通電治療

入学前の検診時から、ずいずいの視力がいまひとつだということは分かっていたのですが、最近ついに、「一番うしろの席だと黒板が見えない」と言い出しました。日常生活に支障が出るほど悪化してしまった近視を放置するわけにはいかず、眼科に通うことに。

一般的な眼科医であれば、「黒板が見えない」という不自由を訴えた時点で、即、「眼鏡を作りましょう」ということになるのでしょう。いまひとつ納得がいかず、「視力回復センター」の類をネットで調べてみましたが、思っていたよりもずっと費用が高いのです。最終的に私が選んだのは、「通電治療」でした。

眼の中には、水晶体(レンズ)があります。毛様体筋と呼ばれる筋肉を自然に緊張させたり緩めたりすることにより、レンズが調節されて(薄くなったり厚くなったり)、近くのものも遠くのものも見えているのだとか。ところが、近くのものばかり見続けていると、毛様体筋が緊張しっ放しの状態になってしまい、レンズは厚い状態のままで固定され、いざ薄くしようと思っても薄くならないのだとか。これが“疲れ目”であり、近視への第一歩なのだそう。

この毛様体筋をリラックスさせ、血流を改善させるのが、通電治療です。1980年代、慶応大学医学部眼科教授の坪田一男先生が発案・開発したのですが、安全性も高く効果がてきめんであるにも関わらず、はっきりとした学問的裏付けがなかったため、大学病院で診療に用いることは困難だったようです。が、石川まり子医師が、御実家の眼科医院で実際の診療に用いて以来、その需要が高まりました。現在は、全国の眼科専門医の中でも、「屈折矯正」に詳しく、通電治療の普及に情熱をもった医師が選ばれ、彼らの協力のもと、それぞれのクリニックで通電治療が行われているのだとか。それらのクリニックは、まだ全国でも30ヵ所ほどしかないので、治療を受けるのが困難な地域がまだまだあるのですが、幸い、我が家からドアtoドアで30分ほどのところに該当するクリニックがありました。

初診時、ずいずいの裸眼の視力は、なんと、0.1と0.15にまで落ちていました。黒板も楽譜も見えにくかったはずです。母親のくせに、こんなに悪くなるまで気づかずに放置してしまった自分の怠慢さを思い、私は内心ちょっと凹みました。…が、1回目の通電治療を行った直後(所要時間は5分ほど)、視力は0.2と0.3になり、翌週2回目の治療を受けた後は0.4と0.5になりました。初診で、「すでにかなり近視が進んでしまっていること」「遺伝的要素が強いこと(夫も強度の近視です)」から、通電しても効果が上がりにくいのではないかと医師からは言われていたのですが、「でも、可能性があるのならチャレンジしてみたいんです」とお願いして治療を開始したのです。が、その医師が「思ったよりもずっと効果が上がっている」と驚くほど、今のところは順調に効果が上がっています。

もちろん、通電治療を受ければいいというだけでなく、普段の生活習慣についても指導が入ります。ずいずいの場合はゲーム機を持っていないので、ゲームで遊ぶ時間を制限されることはなかったのですが、読書の仕方やテレビの見方について指導がありました。また、近視治療用のメガネも作りました。かなり度が弱いメガネで、黒板や楽譜が見えにくくて目を細めてしまうような時のみ、補助的に使います(裸眼で無理をして見ようとすることで、毛様体筋に大きな負担がかかってしまうのを防ぐため)。通電治療によって視力は随時変化していますから、クリニックと同じビルの中に入っているメガネ屋さんは、「6か月以内のレンズ交換は無料」という保証をつけてくれます。

こんなふうに、目に見えて効果が上がっている通電治療ですが、デメリットは保険がきかないこと。1回病院に行くと、「視力検査 → 通電治療 → 視力検査 → 目の診察(細隙灯顕微鏡・眼底検査など)」を行うのですが、これらの診察や治療に2500~3000円かかります。最初の2~3か月は、週に1~2回ずつ通院しなければなりませんから、まあ、そのくらいの費用がかかるということです。(それでも、視力回復センターでトレーニング用の器具を購入するよりは安いのですが) ごく一部の人に片頭痛(急に血流が良くなったためと思われる)やドライアイ(まばたきが減ったためと思われる)が現れる他は、特に目立つ副作用はないようです。ずいずいの場合も、今のところトラブルは現れていません。

近所の眼科に行った時は、「即、メガネ」、しかも、「幼いわりに近視の進み方が早いので、近い将来、かなり度の強いメガネが必要になるでしょう」と言われ、「メガネはイヤ」と泣いていたずいずい。今は電車を乗り継いでの通院ですが、毎回視力が良くなるのが楽しみで、機嫌良く通っています。「近視は病気。病気には治療の方法がある」という信念をもったお医者さんたちのおかげです。

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この記事へのコメント

ももたろう
2009年03月05日 12:40
近視って治るんですね。うちの娘は、まだ0.1というほどではないのですが、DSを買い与えてしまっているので、気をつけなくては。

「そのまま、即、メガネ」を受け入れてしまうお母さんと、「他に方法はないのか?」と考えて情報収集するタイプのお母さんとでは、子どもの人生も変わってきてしまうのですよね。病院選びも、学校選びも、塾選びも、なんでもそうですね。お仕事されててお忙しいでしょうに、そういうことの手を抜かないところが偉いと思います。
さち
2009年03月05日 12:53
ももたろうさま

地の利に恵まれていること(病院や学校や塾の選択肢が多い)、私が自由業であること(朝から晩まで勤め先に拘束されているわけでなないこと)、ずいずいが一人っ子であること(他に手のかかる子どもがいないこと)…等々の条件が揃っているから実現できるという部分が大きいんじゃないかと思います。我が子にはできる限りのことをしてやりたいと思う気持ちは、多くの保護者に共通するものに違いないけれど、「選択肢の少ない地域」だの、「お勤めだったり、子どもが何人もいたりして物理的に時間がとれない」だのといった事情で、“気持ちはあるのにやってあげられないこと”もありますものね、きっと。
つーじい
2009年03月05日 13:25
大人の近視にもきくの?
さち
2009年03月05日 15:10
つーじいさま

子どもの頃からの近視を長年放置してきて、大人になってから通電治療をしても、あまり効果は期待できないみたいです。でも、大人になってから仕事で会社勤めでコンピューターの作業などが急激に増えて視力が落ちてきた…というような場合には、視力が落ち始めてすぐに治療を受ければ回復の可能性もあるみたい。
次郎長バー
2009年03月05日 16:15
うちは時期を逃しちゃった。
ずいずいちゃん、回復するといいね。
がんばって!
さち
2009年03月05日 17:11
ジロチョリーナさま

通電治療でぐぐっと視力が上がっても、日常生活で目を酷使すると、また視力は下がってくるんですよね。最終的にどのへんの視力に落ち着くのかはまだ分からないのですが、眼科医は「1.0までは望めないんじゃないかな…」と言ってます。とりあえず、女子なんで、瓶底メガネにはならないように…と願っている母です。
クロスロード
2009年03月05日 18:00
 めがね族の私としては夏場の鼻先からずり落ちるメガネ、冬場の一瞬にして真っ白な世界になるメガネに辟易しております。出来ることなら裸眼生活(こんな言葉があるのでしょうか?ないな・・・)を送って頂きたいなぁと思います。
昔は「遠くを見ろ!とぉ~~い星を見つめていれば治る」と言われましたが
さち
2009年03月05日 18:28
クロスロードさま

個人的には、メガネっ娘はけっこう好きなのです。…が、ずいずいの目は、放置しておくとどんどん近視が悪化し、そう遠くない未来、瓶底メガネをかけることになりそうだったので、「それは女子としていかがなものか…」と思い、通電治療にトライしてみました。

「本やゲームやTVで近くを30分見た後に、遠くの景色や星空などを30分見る」…など、近くを見ることと遠くを見ることのバランスをとることは、目の疲れを和らげるために理にかなっているそうです。…が、“30分遠くを見る”って、今のライフスタイルで毎日実現することはなかなか難しいんですよね。バードウォッチングや天文関係の趣味を持つといいのでしょうかね??
minta
2009年03月05日 22:15
こんばんは。
実はうちの息子、去年秋ごろからメガネ少年になりまして。
(授業中、ゲーム&読書時だけですが)
2年生の頃に学校の検査で指摘されて近所の眼科へ。
「偽近視」ということでなんと2年間目薬で治療してました・・・効果ねぇ・・・
去年春からは電気も流してたんですが、時すでに遅しだったのかも。
もっと早くやってよ!というムカムカと自分の無知にも頭来ちゃいました。
年頃になったらコンタクトでもせい、と今は諦めてますが。

前置きが長くなりましたが、ずいずいちゃん、効果が出ますように!
早くから始めたから、きっとびっくりするほど良くはならなくても
少しでもいい状態に持っていけるのではないでしょうか。
病院通いってなぜだか疲れるというか、エネルギー使いませんか?
ずいずいちゃん、さちさん、頑張れ~!!

さち
2009年03月05日 22:49
mintaさん

おお、王子、メガネ君になったのですね。美少年×メガネ、個人的にはかなり好物です(笑)。

通院は確かにちょっと面倒。でも、あの丸顔(with低めの鼻)に、度の強いカトちゃんメガネをかけさせるわけにはいかない(私の美意識が許さない)ので、しばらく頑張って通いますわー。
kay
2009年03月08日 07:30
近視ってレーシック手術を受けないと治らないと思っていましたが、「通電治療」があるんですね。
私も小1から仮性近視と診断され、目薬で視力が回復しても翌年にはまた視力が下がり、小5位で眼鏡をかけました。

しぃは軽い斜視があり、年2回総合病院で検査を受けていますが、今のところ、視力に問題はなさそうです。(斜視の状態は変わりませんが・・・)ですが、私も主人も目が悪いので気をつけなければ。
最近、こったんが目を細めてテレビを見ているような気がするので、近々眼科に行く予定です。

私はもう30年近く眼鏡やコンタクトを使っているので諦めていますが、やっぱり裸眼ではっきり見えるのが一番ですよね~。
こういう治療法に保険が適用されたらいいのに・・・。
さち
2009年03月08日 20:41
kayさん

本当に、保険がきけばいいのに…と思ってしまいます。“メガネを作る”以外の選択肢がなかなかないのは、“近視は病気”という意識が薄いからでしょうかね? レーシック、せっかく手術を受けても、また視力が悪化しちゃうことも結構あると聞いたのですが、どうなんでしょう? 今一つ、踏み切れないような気がしちゃってます。
kay
2009年03月08日 23:12
歯科矯正も保険がきけばいいのですが・・・
しぃの前歯がななめに生えてきているので、そのうち矯正する事になるかもしれません。(汗)

レーシックの効果があるのは近視だけでしたっけ?強い近視&乱視を持つ私には関係ないのかな、と思っていました。
それよりも、最近、遠近のピントが合うのに時間がかかるようになりました。また眼鏡の度が合わなくなったのか、もしかしたら・・・老眼?
もし、老眼だったらかなりショック(涙)
さち
2009年03月09日 10:13
kayさん

あー、歯の矯正も、子どもの頃にやっておいてあげたいことの一つですよね。いろいろ手間やお金がかかりますね~。(近視の通電治療に保険が利かないのは、メガネ業界の陰謀か!?なんて勘ぐってしまいます)

レーシック、近視だけでなく遠視や乱視の治療にも使われるみたいですよ。…って、老眼はまだ早いでしょー! kayさんは編み物をするから、そのせいで目が疲れているだけでは? 「雑誌や新聞を30cm以上離さないと読みにくい」ってのが、老眼だと判断する1つの目安なのだそうですよ。
ゆみ
2014年05月27日 16:55
はじめまして。小学2年生の息子のことです。先週木曜日に学校から眼科受診の手紙をもらってきて、右がB左がDでびっくりしました。昨年9月末に両眼共0.9だったので、驚きと涙がまだ止まりません。その眼科では既に近視になっているので眼鏡を進められました。回復センターも無駄だと言い切られました。不安なままネットで色々探し、通電治療を調べていたら、こちらにたどり着きました。お子様が治療されたと拝見しましたが、現在はかなり良くなられているのでしょうか。できましたら教えてください。よろしくお願い致します。