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みんなの「本」ブログ


『こども座右の銘』

2012/04/28 13:34
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『こども座右の銘』という本がある。昨夜、ずいずいと、「自分が好きだと思った言葉を選んで、それぞれに付箋を貼ってみようよ」ということになった。

沢山の付箋が貼られたけれど、2人が同じところに貼っていたのは3箇所で、あとはバラバラ。

ずいずいの選んだ言葉を見て、「なるほど、ずいずいの本質みたいなものが浮かび上がって見えてくるなぁ」と思った。蛇年生まれらしく(?)しつこいところ、弱虫のようでいてなかなか粘り強いところ、どちらかといえばメジャー&ミーハーでなくマイナー&オタクなところ、大人や学校というものに多くを期待してはいないがまったく期待していないわけでもないところ、そろそろ人間関係の面倒くささも味わい始めているらしいところ、根本的には「人から何を言われようがどうでもいい」と思いながらも幼さゆえにまだ吹っ切れていないところ、お金に関しては慎重でほんのり共産主義の匂いもするところ(笑)、聖なる存在や志の高い人に敬意を抱いているところ、そして、良くも悪くも私とヲットと両方からの影響をきっちり受けているところ。

ずいずいも、私の選んだ言葉を見て、「やっぱりママはママらしいのを選ぶなぁ」と思ったのだそう。「偉ぶってても、インテリぶってても、世の中のために具体的に動かない人のことは認めないって感じ?」「あと、人に助けてもらおう、幸せにしてもらおうと思ってる依存心の強い人が嫌いでしょ?」だって(笑)。

面白かった。また、別の何かで“好きなものの比べっこ”をしよう。


【2人とも良いと思った言葉】

●無知を恐れるなかれ。偽りの知恵を恐れよ。(パスカル)

●有能な者は行動し、無能な者は言い訳する。(ジョージ・バーナード・ショー)

●相手が暴力をふるっても、自分が正しければ心では負けないのです。最終的に心で勝ったものが勝利者と呼ばれるのです。(ガンジー)


【ずいずいが選んだ言葉】

●それでも地球はまわっている。(ガリレオ)

●今あきらめたら、バカにしたやつらのいい笑い者だ。絶対成功してみせる。(豊田佐吉)

●天才は辛抱強い。(トルストイ)

●たとえ立場の高い人の意見でも、間違っていたら指摘して正さなければならない。(北里柴三郎)

●勉強とは、自分の無知を発見すること。(ウィル・デュラント)

●天才は、1%のひらめきと99%の努力でつくられる。(エジソン)

●愚かな人は勉強を軽蔑し、単純な人は勉強を無条件にほめたたえ、賢い人は勉強を利用する。(フランシス・ベーコン)

●自分にとって、学校というものは一切存在価値がなかった。自分にとって、図書館と古本屋さんさえあれば、それで十分であった。(司馬遼太郎)

●簡潔で要領を得た行動。それが知力の基本である。(シェイクスピア)

●目的が善でなければ、知識も害となる。(プラトン)

●世間にうとく、書籍に書かれたことしか知らない学者は、書籍に書かれている本質的な内容を理解していないものだ。(ウィリアム・ハズリット)

●賢い者は、争いが起きたときに相手に勝とうとするよりも、かかわり合いにならないことを選ぶ。(ラ・ロシュフコー)

●一方だけが悪いならケンカは長く続かない。(ラ・ロシュフコー)

●なにか問題が起きたときに「自分にも責任があるだろうか?ないだろうか?」という疑問が少しでも心をよぎったら、それは自分にも責任があるということです。(ドストエフスキー)

●本当に自信のある人は、いつも冷静で他人の評価を気にしないものである。(マルキ・ド・ヴォーヴナルグ)

●心が貧しい人は、人の欠点や失敗に対して喜びを感じる。(アルトゥル・ショーペンハウアー)

●友情を長続きさせたかったら、相手の欠点に目をつぶることだ。(ジャン・ド・ラ・ブリュイエール)

●みんなが同じ考えをもつことは、理想的なことではない。意見が違うから社会は成り立ち、そしておもしろいのだ。(マーク・トウェイン)

●他人から与えられた評価ではなく、自分自身が満足できる足跡を残したい。(植村直己)

●欠点がない人がいたら警戒せよ。(ジョセフ・ジュベール)

●自分が決めたことは後悔しない。(宮本武蔵)

●チャンスがないなら、自分でチャンスをつくりなさい。(サミュエル・スマイルズ)

●自分を信じろ。人には好きに言わせておけ。(ダンテ・アリギエーリ)

●天使は美しい花を咲かせるだけでなく、傷ついた者のために勇気をもって戦います。(ナイチンゲール)

●状況? なにが状況だ。状況とはわが輩がつくるものだけをいうのだ。(ナポレオン)

●天体の運動はいくらでも計算できるが、人の気持ちはとても計算できない。(ニュートン)

●なにをしたいのか? それが明確になったとたん、君になにかが起こる。(ジッドゥ・クリシュナムルティ)

●人をおとしいれて出世する者もいれば、正義をつらぬいて出世できない者もいる。(シェイクスピア)


●「お金では買えない大切な物がある」という言葉をよく耳にするが、これは本当の貧乏を経験したことのない者がいうセリフである。(ジョージ・ギッシング)

●欲しいと思う物は買うな。必要な物だけを買えばよい。(マルクス・ポルキウス・カト・ケンソリウス)

●勤労は、幸福の条件である。(トルストイ)

●お金は良い召使いであり、かつ、悪い主人でもある。(ベンジャミン・フランクリン)


【私が選んだ言葉】

●あなたは学者ではないのだから、学ぶだけではだめです。学んだことは世の中の役に立てなさい。学んだあとにどんな行動をとるか。それが重要です。(吉田松陰)

●学問は脳、仕事は腕、からだを動かすは足である。しかしこれらをまとめる意志が必要である。この意志を勇気と呼ぶのだ。(大隈重信)

●正しい知恵を持った者は、敵が多くても傷つかない。(サキャ・パンディタ)

●教育はもちろん重要である。しかし忘れてはならないのは、知る値打ちのあるものは学校で全部教えられないということだ。(オスカー・ワイルド)

●我々の生活の中で、活動的な無知ほど恐ろしいものはない。(ゲーテ)

●教養と知識は別のもの。知識がすべてであるという間違った考えは危険な間違いである。(ヘッセ)

●弱い者ほど相手を許すことができない。許すという気持ちは強さの証なのだ。(ガンジー)

●動きが悪くなった機械に適当に油を注しても効果はない。悪くなった部品を見つけて交換しなさい。人間の心は機械のように交換できないが、なにが原因でそういう気持ちになったのかを考える必要がある。(エジソン)

●心配しても始まらないことは、心配しないほうがよい。(武者小路実篤)

●まわりがいくら努力しても、自分で自分を救おうという気持ちのない者を助けることはできない。自分でハシゴを登る気持ちのない者を他人が救うことはできないのだ。(アンドリュー・カーネギー)

●あなたは他人によって永遠の幸せが得られるなんて本当に思っているんですか? いくらその相手が最愛の人だとしても。(アインシュタイン)

●異性に心を奪われることは、大きな喜びであり、人生において不可欠なことだ。しかし、それが人生の中心になってはいけない。(アインシュタイン)

●あなたがいくらやさしい心の持ち主でも、行動がともなっていなければ、自分の思いを十分に相手に伝えることはできません。(ナイチンゲール)

●茶室に入れば身分の差はない。お互いに敬意を表しながら一杯のお茶をたしなむ。これがわび茶の精神である。(千利休)

●「自分ひとりでやった」と自分の成功を主張することは、とても愚かで傲慢なことだ。(ウォルト・ディズニー)

●自分のまわりばかり見ていると、小さくまとまってしまう。世界は広いのだ。(豊田佐吉)

●人に与えた恩は忘れてしまえ。しかし、人から受けた恩は絶対に忘れるな。(ジョージ・ゴードン・バイロン)
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Merry Christmas!

2011/12/24 03:33

今年、日本は、あちこちに深い傷がついて、いまだに心が癒されていない方々も大勢いるけれど、そういう方々の気持ちが少しずつでも癒されますように。

年金がどーのとか、税金がこーのとか、給与カットとか、労働意欲が削がれるような話題ばかりだけれど、真面目に働いている人が、たまには美味しいものを食べたり、買い物を楽しんだり、きれいなものを見たり聴いたりするくらいの贅沢は許されるような、そういう国に戻りますように。

クリスマスもお正月も関係なく勉強に追われている受験生が、怪我や病気に見舞われることなく、受験当日まで頑張れますように。

かの国の将軍様が亡くなったこの機会に、拉致問題に進展があって、無理矢理に祖国から連れ去られた方々が戻って来られますように。

自分のことだけでなく、他の誰かのために動くことの出来る人に、良いことがたくさんやって来ますように。


Merry Christmas!


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*クリスマスのプレゼントに、ずいずいはパパにおねだりしていたウォークマンを買ってもらうことが出来ました。ヴァイオリンで練習している曲や、好きな歌などを入れて、クルマでの移動中などに楽しむ予定なんだとか。

*私からずいずいに用意しているプレゼントは、アンデルセンの童話全集と、ずいずいが欲しがっていた魚とパンのTシャツ。(童話全集は有名でない作品も収録されていて、全部で3巻発行されることになっているもの。まずは、今年発行された第1巻を。ものすごく分厚くてずっしりした愛蔵版で、美しい挿絵もたくさん。)

*サンタさんが用意しているプレゼントは、もこもこ素材の黒猫のバッグと、百合の紋章のブローチ。



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実現するものなんだねぇ…。

2011/11/04 13:38
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●子どもの頃、「ポンジュース」が好きだった。駄菓子屋で買える「ファンタオレンジ」よりも、お米屋さんが届けてくれる「プラッシー」よりも、オレンジのトレードマークが可愛かった「バヤリースオレンジ」よりも。「愛媛県では水道ならぬ“ポン道”があって、蛇口を捻るとポンジュースが出てくる」なんていう噂を聞き、「嘘に決まってるけど、地域や期間を限定したら出来るはず。瓶代も瓶詰費用もかからないから1リットル数十円で飲めるんじゃ?」なんてことを妄想してニタニタしていた。

「ポン道」と呼べるほどのものではないけれど、最近は本当に「蛇口からポンジュース」が実現しているらしい。冗談を本当にやっちゃう人って、いいなぁ。


●子どもの頃から、TVで刑事ものや法廷もののドラマを見たり、FBI超能力捜査官の特番を見たりするたびに、「被害者の霊が姿を現せば、世の中の殺人事件のほとんどは簡単に解決するし、“逃げ得”が許されないから殺人事件の抑止力にもなるだろうに…。毎月、“0(レイ)”のつく日は、あの世の扉が開いて、幽霊がこちらの世界にやってくることが出来るようになればいいのに。その日だけ警察や裁判所が滅茶苦茶忙しくなるだろうけど……」と思っていた。「幽霊も、どうせなら、生きてる人間に怖がられたり嫌がられたりするような現れ方ではなくて、自分の恨みを堂々と晴らしにくればいいのに」と。

死者がしょっちゅうこの世にやってくるようになったら、色々と都合の悪いこともあるようで(?)、それは今のところ実現できてはいないようだけど、「幽霊が法廷で証人になる」という映画が出来た。1日、映画ファン感謝デーで観賞料が安くなっていたので、ずいずいと一緒に早速見に行ってきたのだけど、これがもう、傑作! 脚本とキャスティングが絶妙で、どんなチョイ役の俳優さんもピリリと存在感が光っていて、どのシーンも“名場面”になってしまう。2時間半の長さをまったく感じさせない。私もずいずいも何度も大笑いし、ラストではまんまと泣かされた。三谷幸喜は天才だ。こういう才能が日本に生まれた時代に自分も生まれてきて良かった。


●先日、日記に書いた「聖☆おにいさん」を初めて読んだ時、「なんて面白い漫画なんだ!」と感動した。…と同時に、「こういうギャグ漫画ではなくて、あの2人が真面目に交流したらどうなるか…みたいな本があったら、それはそれで面白いだろうなぁ」とも思った。

そしたら、あった。「Great Conversations  "The Lotus and the Cross" - Jesus Talks with Buddha」って本が。仏陀とイエスが舟に乗って様々な宗教的対話をするというドラマの台本のような本で、いわば、「聖☆おにいさん 真面目版」。著者は、Ravi Zachariasというインド生まれのキリスト教伝道師で、マレーシア・シンガポール・タイで複数の仏教僧と対話を重ねてきた方なのだそう。まだ日本語に翻訳されていないので原書で読むしかないのだけど、面白そうなので読んでみることにした。

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思い浮かべたことが実現するなんて、ドラえもんの世界みたいだ。面白いなぁ。ところでずいずいは、「本屋さんに貼ってあったポスターで、イエスさまが、パン5個と魚2匹(※)のTシャツを着てたの。あのTシャツ欲しい♪」なんて言っている。実はそのTシャツが商品化されることは知らないようだ。限定販売で入手困難らしいけど、当たったらクリスマスに買ってあげようかなぁ?


※イエスは言われた。「行かせることはない。あなたがたが彼らに食べる物を与えなさい。」弟子たちは言った。「ここにはパン五つと魚二匹しかありません。」イエスは、「それをここに持って来なさい」と言い、群衆には草の上に座るようにお命じになった。そして、五つのパンと二匹の魚を取り、天を仰いで賛美の祈りを唱え、パンを裂いて弟子たちにお渡しになった。弟子たちはそのパンを群衆に与えた。すべての人が食べて満腹した。そして、残ったパンの屑を集めると、十二の籠いっぱいになった。

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「てんかん」と筒井康隆断筆事件

2011/04/20 15:06
1993年9月、人気作家であった筒井康隆氏が、作家活動をやめると断筆宣言した。ことの起こりは、同年7月8日、日本てんかん協会が、角川書店発行『高校国語T』に収録されていた「無人警察(筒井康隆:著)」がてんかんに対する差別を助長するとして削除を要求したことから。


「無人警察」のあらすじは、こんなふう。…… 近未来のある日ある時、主人公は、出勤の途中で巡査ロボットに出会う。巡査ロボットは小型の電子頭脳の他に、速度検査機・アルコール摂取量探知機・脳波測定機なども内蔵していて、車の交通違反を発見する役割を与えられている。速度検査機は速度違反を、アルコール摂取量探知機は飲酒運転を取り締まるための装置。そして脳波測定機は、てんかんを起こすおそれのある者が運転していないかどうかを調べるもの。異常波を出している者を検知した場合、発作を起こす前に病院へ収容されるようになっている。

その巡査ロボットが軋んだ金属音をたててこちらの方へ頭をむけた時、主人公はなんともいえない違和感を覚えた。そして、「私はてんかんではないはずだし、もちろん速度違反や飲酒運転はしていない。何も悪いことをした覚えもない」と考えた……というような内容だったと思う。

今、その本は手元にないのだが、「速度違反・飲酒運転・てんかん患者の運転などは良くないことだが(執筆当時、てんかん患者の運転免許取得は法律で禁じられていた)、高性能のロボットで片っ端から容疑者をとっつかまえて病院や刑務所に送り込むようなことは、超管理警察国家であり、とんでもなく恐ろしいことだよね?」…というのがこの小説の意図するところであったと思う。(てんかん患者への不当な取り締まりを肯定・推奨したものであるとは思えない。)

…でも、もしかしたら本当に、「無人警察」のような装置が必要なんじゃないか?…と思ってしまうような事件が起きてしまった。朝、ランドセルを背負って、「行ってきまーす!」と元気に出かけていった我が子が、それから間もなく潰されて死んでしまうなんて…。我が身に置き換えてみたら、耐えられないことだ。私はこう見えても(?)、「人生のモチベーションの9割以上が“娘”」という人間なので(少なくとも今は)、そんなことが起きたらおそらく頭がおかしくなってしまうのじゃないかと思う。


日本てんかん協会は、1993年7月10日付の抗議文の中で、5つの問題点を指摘している。

@「異常波を出している者は、発作をおこす前に病院へ収容されるのである」という表現は、てんかんをもつ人々の人権を無視した表現であり、てんかんを医学や福祉の対象としてではなく、取り締まりの対象としてのみあつかっている。

A「てんかんではないはずだし、……悪いことをした覚えもないのだ」のくだりが、てんかんを悪者扱いするものである。

Bてんかんをもつ人が運転することを危険視するのは時代遅れの考えであり、症状によっては免許をとれるようにしようとしている自分たちの運動を妨害するものである。

C発作はてんかんの症状の一部であり、症状はもっと多様である。またてんかんと脳波に関して医学的に誤っており、てんかんでも脳波に異常のない人がいる一方で健常者でも数パーセントは脳波に異常がある。

Dこの教科書を使用した場合、てんかんをもつ高校生や近親者にてんかんをもつ人がいる高校生が授業で辛い思いをする。


これらのことに対しては、角川書店も筒井氏本人も反論を試みている。詳しい文献もあるはずなので、ここではその詳細に触れない。ひとまず今日は、運年免許の取得に関してだけ考えようと思う。

かつて、日本の法律は、自動車運転免許をはじめ、調理師・通訳案内業・薬剤師、その他あまりにも広範囲な業種に関して、てんかん患者の参加や資格の取得を機械的に禁止してきた。それを改善しようというてんかん協会の運動の結果、平成14年に道路交通法が改定され、てんかんの人も条件付き(過去2年間発作を起こしていない…等)で運転免許の取得が可能になったらしい。

明らかな差別の廃止には賛成だが、“過去2年間発作を起こしていない”ということを、一体どうやって確認しているのだろう?(自己申告?) たとえそれが本当だとしても、“たまたま2年間、薬を飲むのを忘れなかっただけで、万が一飲み忘れたら発作が起きる可能性が高い”人だっているのでは? さらに、他の多くの薬と同じように、その人の体調や体質が変化することにより、これまで効いていた薬があまり効かなくなった…なんてことが起きる可能性も有るのじゃないだろうか? タクシーや電車やバスを運転して人の命を預かる仕事の人はどんなふうにチェックされているんだろう? 危険物を取り扱う職業の人は? ダンプカーやクレーン車のように特殊な車両を運転する人は?

運転中の発作によって重大事故につながる可能性のあるてんかん患者が運転を禁じられるのは当然のことだと思う。もちろん、てんかんの患者本人やその家族にとって、感情的な問題は残るだろう。(その人に何らかの落ち度があって病気になったのではないのだから。)…でも、他者を殺してしまう可能性や、本人が死んでしまう可能性があるのだから、ここは冷静に受け止めるべきだろう。

心臓に持病のある人はパイロットにはなれない事を、差別だと言う人はいるだろうか? 味覚異常があるのにシェフを目指す人はいるだろうか? 色弱があるから、カラーコーディネーターになるための試験でハンディキャップをあたえてくれ…と申し出る人がいるだろうか? “差別”ではなく、“適性”の問題なのだと思う。そして、“てんかん”と“運転免許”の場合は、「誰かの命が失われる危険をともなう」という意味において、その適性の有無が特に厳しくチェックされても致し方ないことではないだろうか?

今回の事故の場合、容疑者は、過去にも交通事故を起こして子どもに重傷を負わせた前科があり、執行猶予中だったという。前回は、「居眠りをしていた」と供述したらしいが、てんかんの件が明らかにされていたのかいなかったのか? 容疑者本人は、本当にあれを「居眠り」だと思っていたのか? それとも、なんらかの意図があっててんかんであることを隠したのか? 

てんかんの症状の現れ方は個人差が大きいらしいから、「すべてのてんかん患者の運転を禁止する」ということは、いささか乱暴なのかもしれない。ならば、どんなふうに検査をして、どこで線引きをするのか、そのことを考えていかなければならないのだと思う。そして今後は、運転免許の取得や更新の際に、警察指定の医療機関で脳波検査を義務付けることも、やむを得ないのかもしれない。
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文明と文化(…などと書くとたいそうな話のように聞こえるが…)

2010/06/09 21:09
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…というわけで、「平日はDSはしない」というところに着地したずいずいのDSライフ。パソコンは昨日も書いた通り学校の指導にお任せすることにしたし、携帯電話は入学前から持たせていて(電車を使って遠くまで通学するので必須アイテムとして早めに持たせて使い方を練習させた)中毒期はとうに過ぎているので、これで一通り、ずいずいの“機械入門”は済んだのかな、と思う。

今日、ずいずいは、8時までにすべての「things to do」を済ませ、お風呂上り、のんびりと麦茶を飲みながら「ダレン・シャン」を読んでいる。やっぱり、こうやって落ち着いて本を読んだり、音楽を聴いたり、怪しい家庭内新聞を発行したりする時間も必要なのだと思う。「DSは週末」というリズムが我が家の事情にはフィットしているみたい。

今回、DSがやってきたことで色々考えたのだが、私はどうも、「デジタルなツールは“文明”」で、「本に代表される紙媒体や、ボードゲーム(チェスや将棋)などは“文化”」と区別しているようだ。そして、多くのアナログ人間がそうであるように、「文明<文化」と感じている。文明は「生活上の不便や不具合を解消する道具や手段」で、文化は「無くても生きていけるけれど、あると心が耕され、潤うもの」というイメージ。

いや、そんな七面倒くさい話はいいや。要するに私は、「本屋さんで立ち読みに熱中しすぎておもらししちゃったバカ娘」のことも、「粘りに粘ったのにチェスに負けて悔しくて泣くアホ娘」のことも、、「アホだけど愛すべき存在」として容認できるのに、「DSに狂ったように夢中になっているアホ娘」のことは、「なんだか民度が低そうで可愛気がなくて、好きじゃない」というふうに感じてしまい、許容できないのだ。これはひどい偏見なのだろうか? でも、「保護者の価値観や好みの問題だから、これでいーのだ」ってことにしておく。

ずいずい達の学校では、国語や算数や体育などと同様に、時間割の中に「読書」という時間が組み込まれている。昨日の読書の時間は、百科事典のポプラディアでお馴染みのポプラ社の社長さんがゲスト講師として来校してくださったのだそう。クラスがいくつかの班に分かれ、それぞれに百科事典を手渡されて、「スマトラ沖地震」だの「井の頭公園」だの、与えられたキーワードについて調べてみよう…という課題で、事典の使い方を学んだという。それから、書籍の後ろについている“奥付”がどういうものなのかも教えられたりしたのだそう。

そして、質疑応答の時間。クラスメイトたちは、「百科事典はどうやって作るんですか?」「百科事典を作るにはどのくらい時間がかかりますか?」「何人くらいの人たちで作るんですか?」というシンプルな質問をしたのだそう。…が、ずいずいが投げかけたのはこんな質問。「私のおじい様は、製本機械を作る会社をやっていますが、最近、本が売れなくて困るという話をよくします。今はインターネットで大抵のことが調べられるし、色々なものが見られるそうですが、インターネットと百科事典はどういうふうに使い分けるのがいいんですか?本は無くなってしまうんですか?」

3年生の子たちに向けた授業だから、もしかしたら社長さんは、そういう類の質問が来ることは想定していなかったかもしれない。でも、ずいずいが発言している間、ニコニコしながら興味深そうに耳を傾けてくださったという。そして、「確かにインターネットは手軽で便利だし、色々と面白いことが出来る便利な道具です。でも、勉強する時や、じっくり考え事をしながらなにかを読む時などは、本の方が向いているし、そちらを使ってほしいと私は思います」というようなことを答えてくださったとのこと。

私は、「ちょっとした調べ物はネットが便利だが、じっくり味わいながら&咀嚼しながら読むような文章は、紙媒体で読みたい」と思っているのだが、社長さんもたぶん同じような感覚を持っていらっしゃるんじゃないかな、という気がした。相手が子どもだったので、そこまでは表現できなかっただけで。

あ、もう9時。ダレン・シャンの魔法の世界に入り込んでいるずいずいを迎えに行って、いつもの“睡眠前の儀式”(毎晩まったく同じ言葉をかけあって、毎晩同じようにハグしてから眠らせる)をしなくては…。
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OFF日

2010/05/27 23:30
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早朝7時前から原稿を書いて、9時過ぎには一段落。今日はその他には〆切りも打合せもないOFF日。ここのところまた貧血気味だった上、気温や気圧の変化が激しかったせいか、昨日は頭痛と吐き気で一日中食事が出来ず、プロテインのドリンクを飲んでしのいでいた。(こんな感じだった。→)

今日、頭痛が収まって食欲が戻ったら、俄然、肉か魚が食べたくなった。たまたま仕事が休みだったヲットにラーメンを食べに行こうと誘われたが、肉か魚がいいと言い張って、大宮市場まで連れて行ってもらった。先日行った、「花いち」(http://www.hanaichi871.com/shop.html)。埼玉で、こんなに鮮度のいいお魚を、こんなに安く食べられるところはなかなかない。まぐろの中落ちをがつがつ食べる。

その後、ヲットが仕事で使うペンを買いたいと言うので東急ハンズへ。7月が誕生日のずいずいのために、私はプレゼント候補を見て回った。写真の馬の模型(骨や内臓がバラバラになる)もその1つ。でも、女の子の誕生日プレゼントとしては今ひとつかな…。ヲットは、ゴールデンエッグス(低燃費少女ハイジのアレ)がディズニーと(たぶんかなり強引に)コラボレートしたシリーズの、気持ち悪いミニーマウスのキーホルダーを見つけ、「職場の鍵用に使おうかな」と。職場の緊張感が一気に破壊されるのでやめておいた方がいいと思う。その後、30日がお誕生日だというみかん姐のために、嫌がらせグッズをいくつか購入。

それからブックオフへ。「これはもしかして長居することになるんじゃ…」という予感が。案の定、ヲットは、3時間立ち読みしまくった挙げ句に何も買わずに店を出て、「あー、ブックオフ最高〜。行くたび新しいマンガがあるもんなぁ。マンガって、読んでも読んでもなくならないよね。俺、40代になっても50代になってもマンガ読んでるんだろうなぁ…」と上機嫌。テープを早送りするかのように本を読むスピードが早い彼のことだから、数十冊は楽しんだのではなかろうか? 嫌な客である。本屋の敵。(…つーか、結婚前はもっと難しそうな本をいっぱい読んでいたのに、最近私は彼がマンガかライトノベルを読んでいる姿しか見たことがない。)私は、ずいずいが好きそうな本を、100円コーナーで数冊get。「ロミオとジュリエット」「時をかける少女」「謎の転校生」「ルパン対ホームズ」「NHKこどもニュース 小学生の大疑問100」と、ホラーマンガなど。

帰宅するとまもなく宅急便が届いた。誕生日でも記念日でもないけれど、みかん姐からの突然のプレゼント。まず、先月出版された『子どものスポーツ障害とリハビリテーション』という本(みかん姐も出版に関わっている http://www.laputa.ne.jp/kodomo_rihabiri.html)。それから、「目玉おやじのめだまプリントクッキー」、「ぴよアラーム(卵型のアラーム付き時計」、「目玉おやじピタミン(水風船のようにプニプニたぷたぷぐにょぐにょしている)」などなど。妖怪フリークスのずいずいは、帰宅してそれを見るなり大喜び。実はずいずいは「花いち」が大好き。「埼玉で食べるお魚はあんまり美味しくないけど、あそこのは臭みが無くて美味しい」と、かなり気に入っているのだ。ずいずいが学校で勉強している間に花いちに行ってたらふく食べてしまって、ちょっぴり可哀想で後ろめたいと思っていたのだけど、今日はずいずいにもいい事があって良かった。みかん姐ありがとう。

そんなわけで、珍しくのんびり過ごした一日だった。明日は1日中会議をした後、その足でずいずいをピックアップしてヴァイオリン教室へ。鉄だのビタミンBだののサプリメント&プロテインをドーピングして寝よっと。

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お母様は魔女

2010/04/19 22:46

ずいずいは、私の最終学歴を“ホグワーツ魔法魔術学校のような、イギリスにある魔法学校”だと信じている。うんと小さい頃に私がそう言ったからなのだけど、まさか3年生になっても信じているとは想定外だった。

まぁ、いまだにサンタクロースを信じているし、モーリー(8年近く一緒にいる熊のぬいぐるみ)には魂が宿っていると主張しているお伽の国の住人だから(“不思議ちゃん”とも、“幼い”とも言う)、母親が魔法使いだと信じていても不思議はないのかも。「実はあなたも知っている霊能者の●●さんはその学校の大先輩なのだ」と言ったら、「うわぁ!♪」と感動していた。

ママには嘘やごまかしが通用しなくて必ず見破られる…という経験だの、自分の頭の中に浮かんでいたメロディーを偶然ママが鼻歌で歌い出すことが多い…だの、4歳の頃、壊れたおもちゃが一瞬で直った(←偶然、いただきものでまったく同じ物が届き、それを保管してあっただけなんだけど)というビックリ体験があったことだの…で、今のところずいずいはまったく疑っていない。私は日常生活レベルなら英会話はなんとかなるのだが、そのことも、“イギリスに留学していた”という演出(“嘘”とも言う)に貢献しているようだ。

「魔法は自分の利益のために使ってはいけない。だから、本物の魔法使いは、テレビや映画の魔法使いのように、安っぽく簡単に力を使ったりはしない」「魔法学校は、基本的には学校側からのスカウトがなければ入学できない。超能力や霊感がある人間の中から、学校の成績や生活態度を秘密裏に調査されて、魔法使いの適性があると判断された者にだけ入学案内が届く」「魔法使いと人間が結婚した場合、配偶者には自分が魔法使いであることを一生隠し通さなければいけない。それがバレてしまった話が、形を変えて、羽衣伝説や鶴の恩返しのお話になったのだ。だからママの正体は絶対にパパに言ってはいけない」ということになっている。

今、ハリー・ポッターの本にはまっているずいずいは、魔法学校に入りたくてしょうがない。「パパは普通の人間だけど、私は魔女のハーフだから、訓練次第ではいつか超能力を発揮できる日が来るかもしれない」と言う。もしも入学案内が届いたら、今通っている学校は残念ながらやめて、魔法学校に通うつもりなのだそう。

ものの本によると、昔は魔法使いが医師や薬剤師の仕事もしていたらしいので、自分も魔法が使える獣医師か薬剤師になりたいのだと言う。動物たちと話ができるドクター・ドリトルはきっと、現代におけるウィッチ・ドクターなのだと。


3ヶ月後は9歳になるのに、いまだにこんなんで大丈夫なんだろうか? クラスメイトは「整形外科医」とか「カフェのオーナー」とか「調香師」とか、きわめて具体的な将来の目標を掲げているというのに、1人だけファンタジーの世界の住人…。
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上等フライパン

2010/03/27 00:53
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18歳で実家を出て上京した時に、小さなフライパン(オムレツパン)を買った。20歳で寮を出て1人暮らしを始めた時には、鉄製の北京鍋を買った。以来、30歳になっても40歳になっても、大きめのフライパンを買う機会がなかなかなくて、その2つを使いまわしてなんとか料理をしていた。でも、ステーキだの魚のムニエルだのを焼く時にはやはり使い勝手が悪く、いいフライパンが欲しいな…と思っていた。

おととし、仕事で取材したことがきっかけで、40代にしてようやく入手したフライパン。「上等フライパン」という名前がついているもので、及源鋳造(株)という南部鉄器のメーカーが作っている。( http://www.joutou.com/merit.html )

フッ素樹脂加工のフライパンは確かに焦げ付かなくて便利だけど、「何を調理してもいまひとつ熱の通りが甘いようで、美味しくない」「コーティング剤の毒性が気になる」という人も多いと思う。

仕事で、よく、調理道具研究家で『料理のきほん 〜食の常識』( http://www.graphsha.jp/dbf/profile.cgi?key=b0338&label=11&tpl=../books/index )の著者でもある岡山晄生(おかやまあきお)さんとご一緒するのだけど、岡山さんに繰り返し繰り返し教えられてきたのは、「料理は、“火”でなく“熱量”でするもの」だということ。フライパンや鍋自身が温められて、たっぷりの熱を蓄え、その熱量で調理することが、美味しく仕上げるための基本中の基本なのであって、そのためには、きちんと熱を蓄えることが出来るような素材の鍋を選ばなくてはいけないのだそう。(ル・クルーゼのような重い鉄鋳物の鍋で煮込み料理をしたことがある方は、なんとなくそれが実感できているはず。) 

「調理には、基本的に、強火は使わない。フライパンや鍋自体がたっぷりと熱を蓄えていれば、どんな素材でも中火〜中強火で十分」 「よく、“中華料理は強火で”と聞きかじった主婦が、中途半端な知識で強火で炒め物をしているが、あれは間違い。炒め物は、“火の強さ”ではなく、“たっぷりの熱量で”調理することが大切。フライパンを十分に熱くしてから調理を始めるのがコツ」 「フッ素樹脂加工のフライパンというのは、食材を美味しく調理する温度に達する前に、フッ素樹脂が溶け始めてしまう」 などということも教えていただいた。(フッ素樹脂加工のフライパンは、弱火で調理するクレープやホットケーキなどには向いているらしい。)

南部鉄の鉄鋳物のフライパンだから、滅茶苦茶重い。フライパンをゆすってオムレツを空中でくるん…なんていう芸当は、このフライパンでは無理(手首の腱鞘炎を起こしそう)。でも、しっかりと熱してからジュッ…っと焼くと、皮つきのチキンなんて、「外はパリパリ、中はジューシー」に仕上がるし、焼くのが難しかった餃子もなかなか美味しく焼ける(少し焼いてから水を加えて蒸し焼きにする時、水を加えても温度が急激に下がらないのがいいのだと思う)。重くて分厚い鉄器だからこそ、こういう仕上がりが得られるのだと思っている。

このフライパンを使い始めて1〜2カ月たった頃、「なるほど、“火の強さでなく熱量で調理する”ってのはこういうことか…」ということが実感できるようになった(ル・クルーゼを使った時より、もっとハッキリと)。良い道具というのは、そうやって料理の腕前を育ててくれるものなんだろう。鉄のフライパンは錆びやすいというイメージがあるけれど、900℃で1時間ほど窯の中で焼く特許製法で、錆びにくく焦げ付きにくいフライパンになるのだそうで、錆びや焦げに苦しんだことは、今のところは無い。鉄製でなんのコーティングもしていないから、鉄分の補給にも若干は役立っているのかも?

ところで岡山さんは、「リバーライト」という、プロの料理人にも愛用者の多いフライパンメーカーの社長さんでもある。( http://www.kodawariyasan.com/river/r&l.htm ) 50代や60代になって、鉄鋳物の重さがどうしても苦痛になってきたら、次はリバーライトのフライパンを使ってみようと思っている。上等フライパンは何十年でももつらしいから、別のフライパンを買ったらずいずいに譲ってあげるつもり。あ、その前に、まず、小さいオムレツパンの方をリバーライトのに買い替えてみよう。
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澁澤龍彦「快楽主義の哲学」

2010/01/29 00:46
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ネットで知り合ったお友だちの皆さんの中に、「若い頃、澁澤龍彦にけっこうハマッてた」という人が何人かいて、自分の“そういう時期(10代後半〜20代後半)”を懐かしく思い出してしまった。

彼女たちと話をしていると、「つまらない男でも、収入が安定していて性格が穏やかだったら、それを良しとして結婚してしまえる、ある種の鈍感さを持った女たちが、結局は苦労や不自由のない生活を手に入れて、世間で言うところの“勝ち組”ってやつになれるんだよねー」というような話題になる時がある(笑)。少なくとも彼女たちは、“良いお話”と言われるような見合い話を受け入れて、そのまま有閑マダムにおさまってしまえるような人たちではないし、生活の安定のためにつまらない夫と別れずにつまらない結婚生活を継続できるような人たちでもない。

澁澤龍彦の著書に、『快楽主義の哲学』というのがある。私が生まれた頃、つまり、戦後20年ほどたって、日本経済が高度成長を遂げ、消費文化が発達し、苦労の種が無くなり、もうなんにもすることがないからレジャーだのバカンスだのを楽しもうよ…というような世の中だった頃に書かれたもの。

●むろん、平和がつづくのはけっこうなことであるし、遊ぶのもおおいにけっこうなことなのですが、わたしは、このムードというやつが、どうも気にくわない。しゃくにさわる。あなただって、うまうまとムードに乗せられて、群衆とともに山へ行ったり海へ行ったり、右往左往するのは、なんだかばかばかしいような気がしませんか。

●「できそうもないことには最初から手を出さない。実現可能な範囲だけを、是が非でも守ってゆく」という、けちくさい現実主義が、現代青年のあいだに、幅をきかせているような気がします。これは合理主義とかドライとかいうのではなくて、むしろ自分の都合のよいように、自分自身の欲望をごまかし、正当化し、歪曲する怠惰のあらわれだと思います。これでは、ますます視野はせまくなり、ますます理想は低くなるいっぽうではありませんか。

これらの文章は、「まえがき」の中の一部。そして本編では、徹底的に、「“(なまぬるい)幸福”よりも“快楽”を求めよ」という主張が繰り返される。

ずいずいが生後1カ月を過ぎて、病院の検診を受ける以外で初めて外出をした日のことを、私は今でもよく覚えている。お天気の良い日曜日で、社会人になったばかりのヲットも仕事が休みだった。当時は練馬に住んでいたので、近くにあった光が丘公園に、“家族3人で初めてのお出かけ”をしてみたのだ。

やたらと広いその公園は、どこもかしこも、家族連れで溢れていた。やんちゃに走り回る小さな子どもの後を追いかけるパパや、その様子をニコニコしてビデオに収める小奇麗なママ(なぜか大抵、『LEE』に出てくるようなファッション)。キャンキャンうるさくてバカそうな小型犬と、同じくバカそうでダサい服を着た小学生を連れた、サラリーマン風の家族。たいしてて可愛くもない娘にフリフリの洋服を着せて、とろけそうな顔でカメラを構えている夫婦。(すみません、軽く毒を吐きました。)

その時、ヲットが、「あーあ、俺も、日曜日に家族連れで公園になんかやってくる小市民になっちまったぜ」と、冗談半分・本気半分のような声でつぶやいたのだった。ずいずいの“お出かけデビュー”の日にネガティブなことを言いたくなかった私は、「なに言ってんのよ。小市民、けっこうじゃないの。アホな選民意識を抱かないでください」と、鈍感なふりをして言い返した。…でも、本当は、ヲットがどんなことを言いたいのか、よく分かっていた。…というか、たぶん、ヲットよりも、私のほうがずっと強く、“そういう気分”に浸っていたんじゃないかと思う。

決して、その、ぬるい幸福な感じがイヤだったわけではないのだ。生後1か月の赤ん坊は可愛かったし(少なくとも新米の母親である私には可愛く見えたし)、その赤ん坊が生まれて初めて木漏れ日を浴びて、まぶしさに戸惑ったように目を細めながら哺乳瓶をすする様子も微笑ましかった。新米の父と娘の写真も何枚か撮った。「これはこれで、アリなんだよ、うん。私たちは貴族でも文化人でもない、小市民なんだから」と思った。でも、心の底に、かすかな違和感みたいなものは、実はあった。

以来、その違和感は、常にどこかにある(小市民のくせに)。それは別にひどく厄介なものや不愉快なものではないのだけど、なんとなく、やっぱりそこにある。決して消えない、小さなイボかなにかのように。

世の中にそれなりに居場所を作り、小市民的な暮らしを送りながらも、心のどこかにそんなイボを抱えたままの人たちって、けっこうたくさんいるんだと思う。そういう人たちは、たぶん、若い頃に、澁澤龍彦を始め、“そっち系の人たち” 〜つまり、稲垣足穂・三島由紀夫・土方巽・金子國義・四谷シモン etc.…あたりの人々〜 に触れて、なにがしかの影響を受けたことがあるんじゃないかと思う。そういう人たちは、“幸福”を築いて守ろうとする一方、心のどこかで、「でも、本当は、人生には、幸福だけじゃなくて快楽のスパイスも必要なんだよな…」って気づいているのだ。

今の世の中で“勝ち組”と言われている人々の多くは、“快楽”の毒を知らないまま一生を終えるような人種なんだろう。それを決して否定はしないし、むしろ、一時期は羨ましく思ったりしたこともあった。でも、もう、“そういう世界”を知ってしまったからには、ダメなんだよね。世の中をエデンの園に例えたら、澁澤龍彦は、アダムを誘惑して林檎を食べさせた蛇のような存在なのだろうか? それとも、林檎そのもののような存在だろうか? どうあれ、若い頃の一時期、がっつりと澁澤を読んだ人たちというのは、その時期を境にして、人生が「BEFORE」と「AFTER」に分かれるんじゃないかと思う。
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馬まみれ

2009/12/21 17:04
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先週いっぱいで2学期が終わり、既に冬休みに突入したずいずい。

週末、新宿の紀伊国屋書店まで足を伸ばしました。

ず「ママ〜、パパからメール来た〜」

私「なんだって?」

ず「本屋行こうって」

私「本屋? なんで? 本屋くらい、いつも1人で行ってるのに…」

ず「よく分かんない。たまたま気が向いたのか、1人で行くのが淋しくなっちゃったのか、帰りにみんなでなんか美味しいものでも食べたいのか…?」

私「…んー、まあ、いいや。じゃ、行けるって電話してー」

ず「分かったー」

……1時間後、“本屋に行くのは、ずいずいがクリスマスプレゼントに欲しがっていた馬の本を買うためだった”ということが判明。わざわざ新宿まで出向いたのは、“専門性の高い本なので、埼玉県内の書店じゃ在庫がないんじゃないかと思ったから”でした。Amazonで注文すればいいのに…と思うのですが、ネットでの注文作業が面倒くさかったのか、それとも、娘を直接本屋さんに連れていって買ってやりたかったのか、そのへんの事情は分かりません。

本屋さんの女子トイレで、「たまたま気が向いたとか、淋しいからとか疑っちゃって、悪かったかな?」 「んー、でも、そんなふうに思われても無理のない自分勝手なことやってるからねえ、普段は」 「…そうだねえ、じゃ、ま、いっかー」という会話がひそかに交わされました(笑)。

おねだりした時は、本の題名と出版社しか伝えていなかったずいずい。書店の棚で本の大きさと値段を見たヲットは、「高っ………。パパはクルマ買ったばかりでお金ないのに…」と一瞬固まったものの、無事に購入と相成りました。(てーか、家族になんの相談もなく趣味性の高いマニュアル車を…。ムキーっ!)

100種類以上もある馬の品種図鑑としても、馬の身体の作りや生態を研究する本としても、馬術の参考書としても使える本で、“愛馬家必携の馬百科事典”という感じの本。しばらくは退屈しないで済みそうなずいずいなのでした。

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タイトル 日 時
寝坊しました。
寝過ごしました。ふと気づいた時には、ずいずいが家を出るまでにあと20分しかない…という時刻。あぁ…。 ...続きを見る

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2009/12/08 12:21
心に残る言葉。
銀色夏生さんの『第3の人生の始まり つれづれノート15』を読み終え、『決めないことに決めた つれづれノート16』を読んでいるところ。 ...続きを見る

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2009/12/06 21:14
“ハレの日”を作る。
“ハレの日”を作る。 欧米に旅行するなら、クリスマスのホリデーシーズンが一番だと思っています。街はきらびやかに、家もそれぞれに、クリスマスのために飾り付けられていて、とても綺麗だから。 ...続きを見る

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2009/11/28 10:12
このくらいなら、私でも…。
このくらいなら、私でも…。 「食べ物で遊んではいけない」「キャラクターに惹かれるのではなく、食べ物本来の色や匂いで“美味しそう♪”と思える子になってほしい」という思いが強くて。さらに、ネットや料理本で紹介されているような凝ったキャラ弁を作る意欲もなくて、そういうのを作るために今以上に早起きする気力もなくて。 ...続きを見る

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2009/11/17 01:07
「サンタクロースっているんでしょうか?」
「サンタクロースっているんでしょうか?」 街にクリスマスのイルミネーションが灯るようになりました。今年もあと50日ほどで終わりです。そろそろ子どもたちは、クリスマスプレゼントに何をおねだりするか気になってくる頃。 ...続きを見る

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2009/11/13 12:47
「ねぇ知ってる?」
「ねぇ知ってる?」 ここ数カ月、ずいずいは「豆しば」にはまっています。「豆でもないし、犬でもない、ふしぎな生きもの。こっそりみんなの前に現れて、豆知識を教えてくれるよ」…というアレです。( http://dogatch.jp/anime_kids/mameshiba/top.html ) ...続きを見る

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2009/10/02 00:47
「しっぱいにかんぱい!」をするために
「しっぱいにかんぱい!」をするために ずいずいの、夏休みの読書感想文。今年は、低学年用の課題図書の中から、『しっぱいにかんぱい!』という1冊を選んだ。一年生からずっとリレーの選手に選ばれてきた女の子が、運動会のリレーでまさかの失敗をして落ち込んでしまう。その女の子をなぐさめようと、おじいちゃんが考えた作戦とは?……というような内容。 ...続きを見る

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2009/08/31 00:37
おしえてちゃん対策本
おしえてちゃん対策本 ●下村式 小学国語学習辞典/偕成社 ●新レインボー小学国語辞典/学研 ...続きを見る

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2009/07/31 00:25
理科好きな女の子に『海辺のともだち 〜みつける・たべる・あそぶ〜』
理科好きな女の子に『海辺のともだち 〜みつける・たべる・あそぶ〜』 理科系の絵本というと、なんとなく、“読むのは男の子”という前提で作られているものばかり…という気がする。図鑑ぽいものだったり、ウンチク本だったり、なんとなく無機質。女の子の母としては、それがちょっと物足りなかった。正しい知識を紹介しながらも、もっと女の子っぽい可愛い要素も取り入れた本はないものだろうか…って。 ...続きを見る

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2009/07/20 23:54
伝染るんです。
伝染るんです。 私が長年愛読してきた不条理ギャグマンガの金字塔『伝染るんです。』が、なんとアニメ化されるのだそう。あの世界がアニメでうまく表現できるのかどうか、いささかの不安はあるが、でも見ちゃう。そして、たぶんDVDも買っちゃう。 ...続きを見る

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2009/05/18 14:25
やればできる……こともある。
やればできる……こともある。 先日、『氷の華』を読んだ。 ...続きを見る

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2009/02/05 20:05
スノーフレーク
スノーフレーク 4日は立春だけれど、寒さはまだまだこれからが本番。ずいずいが毎日一緒に登校する2人のお友達のうち、1人は先週、もう1人は今週、インフルエンザでダウン。ずいずいもこのまま乗り切れるのかどうか怪しいところです。 ...続きを見る

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2009/02/03 03:22
3Dのしかけに感動! アトラス キッズ世界地図
3Dのしかけに感動! アトラス キッズ世界地図 ずいずいのお気に入りの一冊。 ...続きを見る

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2009/01/24 15:46
『はじめてのチェス』
『はじめてのチェス』 書店でずいずいにおねだりされて、買ってやりました。子ども用の本ではないので漢字にふりがながないのですが、勘と勢いで強引に読みすすめている様子。練習問題にも挑戦しています。 ...続きを見る

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2009/01/08 23:47
苺入りパンプディング
苺入りパンプディング 『チップとチョコのおつかい』という絵本に出てくるパンプディングを作ってみました。 ...続きを見る

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2008/12/10 20:49
お菓子を焼く匂い
お菓子を焼く匂い まだおむつをしている頃から、おままごと用のキッチンで遊ぶのが大好きだったずいずい。今では、お料理の下ごしらえや食器洗いなどを手伝ってくれるので助かります。 ...続きを見る

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2008/12/07 14:10
黒田三郎詩集
黒田三郎詩集 初めて黒田三郎の詩を読んだのは、中学1年の秋だったと思う。書店でパラパラとめくっていた雑誌の中に、『発端』という詩が載っていたのだ。本ばかり読んで、「早く大人になりたい」、「早くもっと広い世界に行きたい」、「いま自分が属しているのは仮の世界なのだ」…なんて考えていた、田舎町の頭でっかちな文学少女は、いきなりガツンとやられてしまった。当時のストライクゾーンど真ん中の詩だったから。 ...続きを見る

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2008/09/11 18:32
「 『死の棘』日記 」 〜愛情の無間地獄に落ちていく
「 『死の棘』日記 」 〜愛情の無間地獄に落ちていく   「『死の棘』日記」を読んだ。 かつて50万読者を震撼させ、映画化もされた小説『死の棘』は、夫の浮気の露見から始まり、凄絶な諍いの果てに、妻が夫に伴われて精神病院に赴くところで終わる。あれは、フィクションではなく、実話に基づいて書かれたものだ。 ...続きを見る

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2008/08/18 13:40
『小川未明集 〜幽霊船』
『小川未明集 〜幽霊船』   小さい頃から小川未明の童話が好きでした。『赤い蝋燭と人魚』も、『金の輪』も、彼の書くものは、“この世ではない、別のどこか”につながっています。綺麗で、不気味で、どこか悲しい、不思議な童話たち。 ...続きを見る

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2008/08/15 13:49
 『ヒト ガタ ミ 人形見  〜memendolls〜  伽羅人形写真集』 
 『ヒト ガタ ミ 人形見  〜memendolls〜  伽羅人形写真集』    綺麗で、不気味で、目が離せない。そんなものが好き。 ...続きを見る

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2008/08/12 10:37
ラージャのカレー
ラージャのカレー  おととしの夏に買って以来、何度も何度も読み返した、ずいずいも私も大好きな一冊。 ...続きを見る

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2008/07/12 16:34
子どもはなぜ「跳び箱」を跳ばなければならないのか?
子どもはなぜ「跳び箱」を跳ばなければならないのか?  数日前に発売になったばかりのこの本の著者は、ずいずいが小学校受験のために通っていた幼児教室の理事である大岡史直氏。…が、これは、いわゆる“お受験”のための本ではなくて、幼稚園〜小学校低学年くらいの子どもを持つ保護者にとって参考になることが色々と書かれている。いわば育児書と考えてよいと思う。 ...続きを見る

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2008/06/25 10:28

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